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【オフィスの原状回復工事】借主側が負担する範囲と工事の手順を解説

2022年09月23日コラム

オフィスの移転が決まったとき、現在使用しているオフィスは元通りにしなくてはならないと言われるケースがあるのではないでしょうか。
オフィスの退去時に修繕し入居前の状態に戻すのを原状回復といいます。

オフィス移転をする際には原状回復をしなければならないと法律で定められています。
ただ、工事の範囲を巡って、貸す側と借りる側でトラブルになるケースも。

借主は、どこまで元通りにする必要があるのでしょうか。
使用していたオフィスが賃貸だったと仮定して、実際にどこまで工事が必要なのか、原状回復工事の範囲について説明します。
オフィスを移転する際の参考になれば幸いです。

【オフィスの原状回復工事】借主側が負担する範囲と工事の手順を解説

オフィス移転時の原状回復工事は法律で定められた義務!

オフィスに入居する前と同じ状態に戻す場合、原状回復義務の考え方の相違からトラブルになるケースもあります。
トラブルが増加したため、2020年4月施行の改正民法621条により、貸借人の原状回復義務が明文化されています。

入居後に発生した損傷は、借主側に対して原状を回復する義務が生じます。
経年による劣化や通常損耗については、通常は修繕の必要はないとされています。

ただしオフィスの賃貸契約は、特約を締結している場合が多く、原状回復は借りた側に負担が生じる場合がほとんどです。

借主側はどこまで原状回復工事をすべき?

それでは、借主側が行う原状回復工事の範囲とはどこまででしょうか。
原状回復が必要な範囲は次のとおりです。

● 仕切りやカーペットの撤去
● 床板、壁紙、天井の張り替え
● 電気や電話回線の回復や撤去(入居後に設置した場合)
● 床下配線の撤去
● 照明(配線含む)や看板などの撤去
● 入居後に増設したものは撤去
● 壁や床・天井や窓といった場所はクリーニング

賃貸物件を借りてオフィスを使用していると、原状回復に関する特約を結んでいるケースが多いです。
その際は自然に消耗したものや経年劣化したのかにかかわらず、借主側が原状回復をするのが一般的です。

直前に慌てない!原状回復工事の4ステップ

オフィスの引っ越しのときは、同時に原状回復工事も手配しなければいけません。
オフィスの移転が決定した段階で、準備を始めておくのがよいでしょう。
原状回復工事を行う手順は次のとおりです。

1. 賃貸契約書を確認して工事の範囲をチェックしておこう
2. 工事を行う施工業者を選定し費用など打ち合わせを行う
3. 現オフィスの立会調査と日程や見積もりを確認
4. 原状回復工事の着工と終了したあと引き渡しを実施

原状回復工事は、業者に発注して実行してから数週間かかるため、オフィスの退去日から逆算で日付を計算してスケジュールをつくりましょう。
工事業者には実際にオフィスに入って調査してもらいながら費用面の詳細を詰めていきます。

打合せは数回にわたるのでスケジュールに余裕をもって進めましょう。
詳細について一つずつ説明していきます。

賃貸契約書を確認して工事の範囲をチェックしておこう

賃貸契約書をチェックして、原状回復工事の範囲を確かめてから工事を始めましょう。
工事が必要な範囲を予め確認する必要があります。

オフィスが賃貸物件だと、特約を締結しているケースがあります。
照明器具の変更や、カーペットを張り替えるといった契約を締結しているのか確認しましょう。
特約があると、原状回復工事の負担はすべて借主側と判断されます。

工事を行う施工業者を選定し費用など打ち合わせを行う

賃貸契約書を確認し、工事の日程と工事の段取りの詳細の打ち合わせを行いましょう。
オーナーや管理会社が業者をあらかじめ決めている場合もあります。
業者がすでに決まっていれば、指定された業者と打合せを行いましょう。

業者の指定が特になければ、自社で業者を選べるので決定したら打合せをして進めていきます。

現オフィスの立会調査と日程や見積もりを確認

工事業者が決定したら、日程や見積もりの詳細を詰めていきます。
工事を担当する業者には事前にオフィスの視察をしてもらうのが大切です。

現オフィスの視察をした段階で、変更や修正が発生する可能性もあります。
そのため、現地調査は数回実施するのを想定して、早めの日程を設定するのが重要です。
詳細の打ち合わせは、スケジュールに余裕をもって設定しておきましょう。

原状回復工事の着工と終了したあと引き渡しを実施

いよいよ原状回復工事の着工です。
工事が開始したからといって工事業者に任せきりにしてはいけません。
工事がスケジュール通りに進捗しているか中間検査を実施しましょう。

また、ほかにも予定している箇所の工事が正しく行われているかもチェックしなくてはなりません。
中間検査に問題が無く工事が終了したら、最終的には管理会社やオーナーにも立ち会ってもらって、オフィスを引き渡したら完了です。

オフィスの規模が大きいほど原状回復工事の費用相場は高くなる

原状回復工事を行うための費用相場は、オフィスの規模により相場は変動します。
原状回復の状態にもよりますが、小規模から大規模オフィスでおおよそ次の価格帯で対応可能です。

● 小規模:坪単価3~5万円
● 中規模:坪単価5~7万円
● 大規模オフィス:坪単価8~12万円

目安の価格で説明しましたが、費用は業種により変動するケースが想定されます。
飲食店で入居後に水回りをかなり変更していると高額になります。

ほかにも入居してから内装を大幅に変更していると、原状回復の費用は高くなるでしょう。

まとめ

オフィスを退去するにあたって利用しているのが賃貸契約だと、原状回復工事を行わなくてはなりません。
賃貸オフィスの場合、経年劣化などの借主側に責任がない場合でも回復義務が生じる場合があります。

特約でカーペットの張り替えなど条件を決められているからです。

原状回復工事を完了させるには、工事の着工からオーナーや管理会社に引き渡しが完了するまで2週間~1ヶ月ほどかかります。
オフィス移転の準備もあるので、スケジュールには余裕を持ちましょう。

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