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重量物とは?労働基準法での意味や取り扱い方を解説します

2024年01月01日コラム

重量物とは、労働基準法上でどのように定義され、取り扱われるのでしょうか?
一般的な重たいもの全般を指すように使われますが、法的にはかなり厳密に規定されている『重量物』
この記事では重量物の一般的な意味と法的な意味の違いや重量物の運び方についてわかりやすく解説します。

重量物とは?一般的な意味と法的な意味は違う。重量物の扱い方を知ろう!

一般的な意味での重量物とは?

一般的な意味での重量物とは、日常生活でよく見かける「重たいもの」を指します。

家庭で使用する冷蔵庫や大きな家具、洗濯機などの他に、事務用品であるロッカーや印刷機、デスクなども広い意味での重量物といえます。
さらに、建設現場では鉄骨やコンクリートパネル、機械部品などが重量物として扱われます。
これらの物品は、取り扱い時には適切な注意が必要であり、安全性を確保するためには労働基準法や関連する安全規制に則って適切な処置が求められます。

重量物の持ち上げ・運搬が原因で腰痛になることも

重たいものを持ち上げたとき、腰に大きな負担がかかり痛みを感じることがあります。
重量物の持ち上げや運搬が原因で、腰痛になるケースがあります。

神奈川県労働局が発表したデータによると、コロナをのぞく業務上疾病の中で最も割合が高いのは腰痛です。
2020年から2022年までの3年間で発生した業務上疾病の総数が2,173件で、このうち災害性腰痛の件数は1,706件と全体の約80%を腰痛が占めます。

※災害性腰痛とは転倒や転落などによる腰のケガや業務中に腰に急激な負担が生じておきた腰の痛みのこと

業務上の腰痛は決して珍しいものではないのです。

労働基準法での重量物

上記のように、労働中に重量物が原因の腰痛が多発していることから、重量物の取り扱いについては法的な規定があります。
ここからは、年齢・性別による重量物の定義と厚生労働省が出している「職場における腰痛予防対策指針」で定められている重量物の規定について紹介します。

年少者労働基準規則における重量物の扱い

年少者労働基準規則とは、1954年に出された厚生労働省の省令です。
この省令における「年少者」は18歳未満の人で、男女別に取り扱う最大重量が定められています。

16歳未満で継続的な作業の場合、男性は10キログラム、女性は8キログラムが上限と定められています。
16歳以上18歳未満の場合は男性で20キログラム、女性で15キログラムです。
断続作業の場合は規制が若干緩和され、16歳未満男性で15キログラム、女性で12キログラムとなります。
同様に16歳以上18歳未満であれば、男性が30キログラム、女性が25キログラムです。

上記の最大重量以上のものを重量物として扱います。

女性労働基準規則における重量物の扱い

女性労働基準規則は、1986年に女子年少者労働基準規則から女性に関する部分を独立させたもので、1997年から今の省令名となりました。
この省令では妊産婦や女性の労働について定められています。

省令では妊産婦が重量物をあつかう業務に就くことを禁じています。
加えて、この規定は他の女性にも準用できると定められていますので、実質的に女性は重量物を扱う業務に就けないといってよいでしょう。

重量物の基準は、未成年者であれば年少者労働基準規則と同じ基準が適用されます。
18歳以上の場合は継続作業で20キログラムまで、断続作業で30キログラムまでの作業が可能です。
それ以上の重量物を扱う仕事には従事できません。

職場における腰痛予防対策指針における重量物

厚生労働省は職場で多発する腰痛を予防するため「職場における腰痛予防対策指針」を出しています。

その中で、以下の点に注意して作業を行うことを求めています。

・自動化、省力化の推進
・人力での最大取扱重量を55キログラム以下にすること
・荷姿の改善や重量の明示
・作業姿勢の改善
・取扱時間についての配慮

重量物を取り扱うときはできるだけ自動化し、作業員の負担を軽減するよう求めています。
フォークリフトやハンドリフト、トラッククレーンなどを活用し作業員の負担を軽減することが必要です。

男性労働者が人力で運ぶ重量の上限を55キログラムとし、通常時に労働者が取り扱う重量は体重の40%以下にすることを求めています。
この重量を超える作業の場合は2人以上で作業を行い、負担を分散しなければなりません。

腹圧を上げるため、必要に応じて腰部保護ベルトや腹帯などを使用させることも求めています。

また、重量物を取り扱う時間についても配慮しなければなりません。
重量・頻度・運搬距離・速度などを踏まえ、適度な休憩や連続作業を避けるといった配慮が必要です。
一人当たりの作業負担軽減が難しければ、人員を増やして交代制にすることも考慮しなければならないでしょう。

人力で重量物を運ぶときの注意点

作業環境などにより、やむを得ず人力で重量物を運ぶときの注意点を厚生労働省が作成したパンフレットに基づいて解説します。
重量物を持ち上げるときは、なるべく身体を荷物に近づけて重心を低くしましょう。
持ち上げるときは呼吸を整え、腹筋に力を入れます。
このとき、一気に持ち上げると危険ですので、荷物を抱えてから膝を伸ばして立ち上がるなど、2ステップで持ち上げるよう意識しましょう。

荷物を持つときは背伸びをし、腰をひねらないように注意します。
荷物に取っ手をつけたり、滑り止めのついた手袋を使用するとより安全です。

まとめ

今回は重量物の意味や法的に定められた扱い方、重量物の取り扱い方法などについてまとめました。
女性が重量物を扱う際の注意や職場における作業への配慮が必要である点など、重量物の取り扱いは十分注意して行わなければなりません。

従業員が無理な重量物の運搬をしてしまうと、腰痛の原因となります。
重量物を取り扱うときは、従業員の負担を軽減し、無理せず取り扱うことを計画しましょう。

 

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